FGF2 producing B. longum

重症下肢虚血症( CLI)は、末梢動脈閉塞性疾患の中で最も進行した段階で、動脈の閉塞が進行することにより、四肢(下肢や足)への血流が減少し、激しい疼痛、潰瘍及び歩行困難などの症状を起こす疾患です。CLIの患者数は年々増加していますが、肢切断に至る患者さんはCLIの20〜30%を占め(米国では毎年12万例)、また5年生存率も30%未満で予後の悪い疾患です。FGF、VEGFやHGFなどの血管増殖因子により血管の増殖や血流を改善するための血管新生療法の臨床評価が試みられています。しかしながら、現在まで得られている臨床効果は限定的です。

FGF2は最も強力な血管新生因子であり、FGF2産生i-DPSは、慢性下肢虚血症の低酸素性病変部位でFGF2を産生するように設計されており、局所的に血管新生を促進し、血流を改善することを目指しています。マウスの慢性虚血肢モデルにおいて、 FGF2産生ビフィズス菌の静脈内投与により虚血肢の血流は改善し、毒性を発現することなく繰り返し投与も可能でした。また、FGF2産生ビフィズス菌は虚血筋肉組織に存在し、正常筋肉組織には存在しないことから、正常組織に定着することなく低酸素部位に選択的に定着・増殖することが示されました。FGF2産生i-DPSは、CLIに対する有望な薬剤候補であり、CLI患者の肢切断を回避し、QOLの向上に役立つことが期待できます。